この記事では、二人目育休の給付金や条件について、総合職フルタイム正社員で2回の育休経験のある筆者が、解説していきます。
2人目を考えるときに不安なこと
2人目は欲しいけれど、仕事のことを考えると・・・と尻込んでしまうワーキングマザーはあなただけではないことがわかったと思います。
とはいっても、育休を再度取る心理的ハードルやキャリアへの影響を考えると、なかなか進めないこともありますよね。
例えば、
・1人目育休復帰後、すぐに産休育休を再度取得するのは、職場に迷惑がかかるから取りにくい
・職場の女性たちは大抵こどもは1人で、複数回、育休を取った人が周りにいない
・これ以上、育児を理由に、早退や欠席をしたくない
・これ以上休むと、キャリアが閉ざされてしまう
・育休中のお金が心配
といった心配が聞こえてきます。
また、周りに育休を複数回取った人がおらず、2回も育休が取れるのだろうか?手当が出るのだろうか?と不安になっている人もいると思います。
多くのワーママが抱える2人目をためらう理由
「縁結び大学」が2021年10月に行った調査では、20代〜40代の男女231人に、希望する子どもの数と実際の子どもの数を聞いた所、
8割が「2人以上」の子どもが欲しかったが、実際には4割が「1人」に留まる
という、結果が出ています。
2人目の壁は、多くの夫婦に、とても大きく立ちはだかっています。
ためらう理由はたくさんあると思いますが、共働きの場合、何がハードルになるのでしょうか。
「夫婦の出産意識調査2019」では、働く女性539名に調査した所、2人目の壁を感じる原因は下記の通りでした。
・経済的な理由: 80.6%
・仕事への影響: 55.1%
・第一子の子育てが大変:50.7%
・年齢的な理由: 43.2%
その中でもフルタイムで働く女性だけに絞ると、なんと「仕事への影響」をあげた人が61%という結果が出ています。
確かに、育休が取れるかや育児をしながら仕事を回せるか、そして自分のキャリアを考えると、2人目に尻込みしてしまう気持ち、分かります。
そのあたりについても、見てみましょう。
2人目の育休
ワーキングマザーで妊娠出産を考えるとき、つきまとうのが「育休の取得」。
723名のワーキングマザーに、産休育休取得で気になったことを聞いた所(※)、
「上司の目」・・・43.8%
「同僚の目」・・・37.4%
「育休が空けてすぐに次の子どもを授かると育休を取りづらい」・・・32.8%
「2人目の子どもの産休・育休は、1人目よりも取りずらい」・・・21.5%
と言う回答が得られました。
周りの目や職場の雰囲気的に、育休の取りずらさを感じている人は少なくないのです。
※「夫婦の出産意識調査2019」での調査結果
2人目でも産休・育休って貰えるの?
結論としては、産休や育休を取得するのに、何人目の子どもかは関係ありません。
しかし、2人目以降の場合、その前に取得している育休のタイミングによっては、育休中の給付金が貰えない場合があります。
産休を取得する条件
産休は、「産前休業」と「産後休業」が正式な名前で、これらは全ての女性が取得することが出来る制度です。
具体的には、産前休業は、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、請求すれば取得可能です。
産後休業は、出産の翌日から 8 週間の休業制度で、この期間は就業できません(産後6週間を過ぎた後、本人が請求し、医師が認めた場合は就業できます)。
産前休業・産後休業の期間は、健康保険から賃金の3分の2相当の手当金を受けることが出来ます。
直前に、産休や育休を取っていても、問題はありません。
育休を取得する条件
育児休業(育休)は、産休と違って、取得の条件があり、それを満たさなければ取得することが出来ません。
また、取得は出来ても、休業給付金がもらえないパターンもあります。
育休取得の条件は、1人目の取得の時と変わりません。
具体的には、「1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない」となっており、以前あった「引き続き雇用された期間が1年以上」という条件は2022年4月に、撤廃されています。
但し、勤続1年未満の労働者は適用除外するルールが定められている会社もあるので、会社のルールを確認しておきましょう。
気になる給付金についてですが、育休中の休業給付金は、ハローワークから支給されます。
受給資格は、
・育児休業取得中、かつ
・育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間(賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月)が12か月以上ある
なので、2人目以降取得の場合、注意が必要なポイントです!
上の書き方だといまいちピンとこないと思うので、ざっくりと言えば、産休育休前の2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上あれば給付金の対象になる、と思って貰えば大丈夫です。
連続取得や複数回取得の注意点
2人目の育休を連続で取ろうとしている人は、過去2年はほとんどが育休期間中で12ヶ月もないから、対象外!?と思ったかと思います。
ご安心下さい。
この場合、特例措置で、産休育休などの休業期間はこの過去2年にカウントしなくて良いというルールがあります(但し、最長4年)。
ですので、産休育休などの休業期間を抜いた2年間で、被保険者期間が12ヶ月あれば、給付金の対象に入ります。
但し、ノーカウント出来る期間に、最長4年という縛りがあるので、2人目までは連続取得は現実的ですが、3人4人と連続取得すると、育休は取れても、給付金は貰えない可能性が高いです。
育休と2人目妊娠のタイミングの選択肢
二人目の妊娠のタイミングは、育休を軸に考えると、大きく3パターンに分けられます。
1. 復帰してから時間を空けて、数年後2回目を取得するパターン
2. 復帰後、比較的すぐに取得するパターン
3. 1人目育休中に2人目を妊娠出産し、続けてとるパターン
復帰してから時間を空けて取得するパターン
子どもの年齢差をどうするか、は、夫婦それぞれ考え方次第ですが、ワーキングマザーの場合、立て続けに育休が取りにくいと感じて、このパターンを選択する人もいると思います。
●メリット
・1回目の育休後、数年働くことで、会社へ迷惑をかけているという心理的ハードルが下がる
・一度、復職を経験しているので、復職後の大変さや仕事と育児の両立の感覚をイメージしやすく、またコツも掴みやすい
・1人目と年の差があるので、産後の子育ての負担が少しマシ
●デメリット
・子どもの成長フェーズが異なるので、両方を考慮しなければならない(例えば、保育園と小学校、小学校と中学校など)
・2人目の妊娠出産の年齢が上がってしまう
復職後比較的すぐに取得するパターン
保育園でも、2歳差、3歳差の子どもは多く見られるので、このパターンも少なくはないと思います。
筆者もこのパターンでした。
●メリット
・大変な時期は被るが、まとめて成長してくれる(両方保育園、両方小学校の時期が長い)
・一度、復職を経験しているので、復職後の大変さや仕事と育児の両立の感覚をイメージしやすく、またコツも掴みやすい
・自分たちの年齢が上がる前に、妊娠出産出来る
●デメリット
・復帰後すぐに産休に入るので、気まずさを感じる人もいる
・時短勤務から産休育休に入ると、手当が少なくなる(直前の給料が基準になるので、時短勤務だと1人目の時より減ります!!)
1人目育休中に2人目を妊娠出産し続けてとるパターン
●メリット
・まとめて取ることで、育休複数回取得の心理ハードルが低い
・給付金が、1人目出産前の給与基準で貰い続けれるので、時短復帰して再度産休を取るより貰える額が多い傾向にある(時短勤務で復帰していると、下がった給与が給付金の基準になるので、貰える額が少なくなります)
・自分たちの年齢が上がる前に、妊娠出産出来る
●デメリット
・給付金をもらうにはタイムリミットがある(上記に書いた様に、特例措置は最長4年)
・復帰の際、2人のケアと自分の仕事の両立を、一度にこなさなければならない
一人目出産後に転職をした・しようとしている場合の注意点
子どもが出来て、仕事と家庭の比重を変えたいと考えたり、通勤時間の問題や、その他色々な事情で、転職を考える人も少なくないと思います。
2人目以降を考えているのであれば、妊娠と転職のタイミングは慎重に考えるべきです。
まず、転職後の妊娠ですが、転職後すぐでも、妊娠・出産することは、法的には全く問題ありません。
先ほども書いた通り、産休も取得することは出来ます。
しかし、会社によっては、入社からの期間が少ないと「育休」が取得できなかったり、給付金がもらえない場合があります。
また、例え、法的に問題なくても、転職後すぐであれば、働き続けることが難しい雰囲気の会社などもあります。
どうしても転職をしたい・せざるを得ない、という場合は、転職先の育休のルールや、転職しても給付金の対象になるか、また会社の雰囲気がどうなのか、を出来るだけチェックしておく方がよいでしょう。
この辺りは、センシティブな内容ですし、あまり積極的に聞きまくると、入社後すぐに産休で休むつもりかと警戒されてしまうので、自分で直接質問するよりは、転職エージェントなどを使って、上手に情報を収集するようにしてくださいね!
何度も育休を取ることにハードルを感じる人へ
女性の活躍推進が叫ばれ、一般職だけでなく、総合職でも育児をしながら活躍出来る様にだんだんと変わって来ています。
子どもを抱えながら、管理職でバリバリ働く女性も増えており、仕事か育児かどちらかを選択するという時代から、両方頑張ることも出来る時代になって来ています。
とはいっても、何度も育休を取るのは気が引けるという働く女性も、まだまだ多いと思います。
でも、何度も産休育休を取ることに、負い目を感じる必要はありません!
気まずく思っているのは自分だけのことも
長い期間仕事に穴を開けて、同僚に迷惑がかかる
自分がいないせいで、周りの人の仕事が増えて申し訳ない
みんな仕事を頑張っているのに、自分だけこんなに休んでいいのだろうか
そんな風に思っているかもしれませんが、感謝はしても、後ろめたさや申し訳なさは感じる必要はありません。
例えば、周りに迷惑がかかると思うのであれば、それはあなたの責任ではなく上司や上層部の責任です。
育休で休んでいる給付金は会社が払っている訳ではなく、ハローワークが出しているのですから、人手が足りなければ、あなたに払わない分アウトソーシングしたり、方法はある訳です。
あなたが思い悩む必要はありません。
また、子どもは、将来税金を納め、国を支えてくれる将来の担い手であり、国の財産です。
子どもが減れば、我々大人は将来苦労することになるので、その重要な役割をしている、と考えると少しは気が楽になるかもしれません。
また、そもそも、気まずく思っているのは、自分だけで、上司や同僚は全く気まずさを感じていなかったり、大した問題と思っていないこともあります。
ですので、不必要に、気まずさを感じる必要はありません。
むしろ、育児の経験は、マネジメント力や危機対応能力などが上がるので、仕事のスキルも上がると言われています。
萎縮するよりも、育児で培ったスキルを仕事に活かす方がよっぽど、会社や上司、同僚の為になりますよ!
居ずらければ転職すればいい
ある、育休取得した男性が「育休が出世に響く、ともし言われたら、転職すればいいと思っていました」と言っていて、なるほどな!と思いました。
どうしても後ろめたさを感じてしまったり、実際に育休を複数回取得して会社で気まずさを感じた場合は、転職をすればいいのです。
確かに、転職して来た人が、過去に育休を取得していたかどうかや、何ヶ月仕事を休んだかなんて、気にしませんよね。
会社や上司、同僚としては、過去はどうであれ、期待する仕事をしてパフォーマンスを出してくれれば、それで問題ないと思っているのです。
また、新卒で入った会社だと、”同期”という概念があるが故に、育休取得で同期より遅れを取ると気になったりしますが、一度転職すれば、その枠組みから解放されます。
転職すると不思議なもので、経歴や経験も違うので、年齢や社会人年数が同じでもあまり気にならないものです。
育休で、居ずらさや昇進への影響が心配な人は、「転職」という選択肢を持っておけば、不安は解決されないでしょうか。
転職するしないに関わらず、この考えを”お守り”のように持っておくのは、個人的にはオススメですよ。
まとめ:条件を満たせば貰えるので仕事や職場に振り回されず自分のタイミングでチャレンジしよう
いかがでしたか。悩ましい、二人目問題。
2人目以降も、条件を満たせば給付金をもらうことができます。
また、職場への罪悪感や評価に対する不安も、最悪転職というカードを持っておけば怖くないですよ。
仕事や職場に振り回されず、自分たちのタイミングで決めていけるといいですね。
最近は働くママ向けの転職エージェントもあります。
例えば、リアルミーキャリアは「育児をしながら働く」ママを支援する転職エージェント。
✔︎ 育児に理解のある企業で働きたい
✔︎ 時短や在宅など柔軟な働き方をしたい
✔︎ 年収も下げたくない
といったことを諦めない転職を可能にしてくれます。
また、普通の転職エージェントではバリバリ働く男性や独身女性に埋もれて苦戦しがち。
ですが、ワーママ向けのエージェントだと周りと同じ条件で戦えるメリットも!
条件の良い企業は、保活同様すぐに埋まってしまいます。
希望に合う求人が出たらすぐに声がかかる状況を作るためにも、エージェントに情報登録を済ませ希望を伝えておきましょう。
フルタイム求人ももちろんあります